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痛いか、痒いかこの記事「無関心、都市住民にも責任 エネルギー浪費、自省を」

山には産廃、海には原発。この手の施設はみな貧しく弱い地域にやって来る。それが分かっていても直接見えないから、水と食料と電気のことを考えもせずに、ニッポンの大都市住民はのうのうと "豊かに" 暮らせるのだ。
農山村地帯が合併したらすぐ「都市計画」するのって "どこか妙" な気がしませんか。そして、山間や海辺の町村から都会に出て行くと、みんな都市住民になって澄まし顔でいるというのも "なんか変" な感じがしてならない。とかく田舎暮しは痛痒い。

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記事 毎日新聞 2006年2月15日 東京朝刊 記者の目:「原子力半島」化が進む下北=小山由宇(青森支局)



毎日新聞 2006年2月15日 東京朝刊 記者の目:「原子力半島」化が進む下北=小山由宇(青森支局) 六ケ所村で建設が進む使用済み核燃料再処理工場
◇無関心、都市住民にも責任 エネルギー浪費、自省を

青森県の下北半島は「原子力半島」と冷やかされてきた。原子力関連施設からの税収や雇用を当て込む自治体が熱心に施設を誘致してきたからだ。最近はその状況が一層進んでいる。
 地元の財政が苦しいから仕方ないことなのか。それだけではないと思う。電力を大量に使いながらエネルギー問題に無関心な都市住民が今の状況を作ったのではないか。国民の関心が低いから政策は安易な方に流れ、危険な施設は貧しい地方に押しつけられる。取材を通じ、そう実感した。
 県は昨年、六ケ所村にMOX(ウラン・プルトニウム混合酸化物)燃料加工工場を、むつ市に使用済み核燃料中間貯蔵施設を建設することを相次いで受け入れた。東通村の東通原発1号機の営業運転も始まり、まもなく六ケ所村の使用済み核燃料再処理工場も最終試験に入る。国策である「核燃料サイクル政策」に必要な施設が今春、下北半島にほぼそろう。

 昨年10月、三村申吾知事はむつ市の中間貯蔵施設を受け入れるため上京した。同行取材した私は在京の記者から「なぜ青森県は受け入れを前提に動くのか。他県ならこんな施設は絶対に受け入れない」と質問され、落胆した。都会の人は青森県が好きで迷惑施設を受け入れているくらいに思っていると感じたからだ。
 確かに受け入れの背景には、むつ市の熱心な誘致があった。同市は財政難が深刻で、04年度末までの累積赤字は約22億8000万円。それが建設となれば、操業終了までの60年間に約1200億円の電源三法交付金が入るとされる。
 昨年10月の時点で県の有効求人倍率は0・40倍で全国最低。原発反対派の団体幹部は「建設で雇用が増えると行政や電力会社に説得され、次第に賛成に回る住民が多い」と話す。県議会では「次は下北半島ではなく、津軽半島側にも原子力施設を」といった冗談とも本気ともつかぬ声も出た。
 全国では原発誘致をやめる自治体も増えているのに、青森県の受け入れ方は突出している。経済的に苦しいので中央からの「原子力マネー」に頼りたい気持ちは分かる。ただ、私は今の状況が長続きしないゆがんだ図式の上に成り立っていると思う。

 例えば80年代まで東京都23区にはごみ処理場が江東区にしかなかった。「なぜ他の区のごみまで受け入れるのか」と江東区民は怒り、ごみが行き場を失う事態になった。都は各区を説得し、ほとんどの区に焼却場ができたという。「自分の所で出たごみは自分の所で始末する」という当たり前の政策が実現したのだ。
 原子力の場合はどうか。法政大学の舩橋晴俊教授(環境社会学)は「首都圏は電気を使うツケを原発のある福島県や新潟県に回し、その廃棄物の処理を青森県に押し付けている。利益を受ける中央と、始末だけさせられる地方との間に格差がある。こんな政策には普遍性がなく、いつか破たんする」と話す。
 青森県はこれまで国の原子力政策に協力してきたが、将来、知事が代われば「ノー」に転じるかもしれない。原子力が決して安全ではないことは住民も承知しているし、江東区のような反対運動はいつ起きてもおかしくない。もともと大量の電気を使わない地方は、原子力を拒否しても困らないからだ。

 かつて「本当に原発が安全なら東京に造ってみろ」と主張した作家がいた。「実際にそうしたらどうか」と思えるほど都会の人の関心は低いと感じる。「脱原発」を進めるドイツは自然エネルギーの風力発電に力を入れているが、日本の風力発電はドイツの20分の1の規模しかない。法律で義務づける設置量が低いから風車が増えないというが、「もっと自然エネルギーを」という世論がないのが決定的な理由だと思う。
 東京に原発を造れというつもりはないが、せめて都会の人には「自分たちが使う電気がどこで生まれ、どんな負の遺産を残しているのか」を知ってほしい。
 再処理工場につぎ込む費用は約11兆円で、国民からの電気代などで賄われる。エネルギー政策が人ごとでなくなれば、原子力をめぐる議論も活発になるだろう。下北半島の姿も変わっていくと思う。
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 ご意見、ご感想は毎日新聞「記者の目」係 kishanome@mbx.mainichi.co.jp
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by mukai-message | 2006-02-21 12:27 | ○放 射 能 汚 染
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