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2006年新緑の5月 ロンドンで今 2/3 

(写真はクリックすると拡大します)

ロンドンを初めて訪れたのは1970年。ビートルズが解散した年の夏で、大阪では万博が開催中だった。昨年5月、同じヒースロー空港に降り立ったのだが、まるでアジア大陸のど真ん中に到着したかのような騒ぎだった。街なかで耳に入るのも外国なまりの英語が多い。ーーこのことは、すでに「黄昏のロンドンから」(1977年大宅壮一賞を受賞)の冒頭に書かれているが、それから約30年、ロンドンの移民都市化はさらに進んでいるように見える。
かくも巨大国際都市になったロンドンに驚きも戸惑いもなく、過去と現在との間隙を難なく調整できたのは、インターネットにより世界各地から発信される様々な情報、特にメールマガジンやブログに日頃親しんでいるためだろう。

滞在中は頻繁に地下鉄を利用したが、昔は違法だった駅構内での「バスキング=路上での歌や演奏でチップを稼ぐこと」が近年合法となり、オーディションを通ったミュージシャンのみが演奏できるライセンス制であること、それが地下鉄利用者に概ね好評であること、日本人初のDOMONさんという「魂のバスカー」もいることもちゃんと知っていた! 残念ながらスケジュールが合わず彼の追っかけをすることはできなかったが、これからロンドンに行かれる方は、 こちらのホームページ で予定を確認の上、話題のバスカーの演奏を聞きに出かけてはいかがだろうか。もちろん、ハートフルなチップも忘れずに!

以下、DOMONさんのメルマガより<昨年7月7日テロ>の翌日の日記を、ご本人の許可を得て全文引用します。(写真提供もDOMONさん)



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日本人初のロンドン地下鉄演奏許可書[busking licence]取得者が送るガチンコ日記
      先週は何が起こったのか! いったいいくら稼いだのか?
魂のギタリストDomonが遥かイギリスからリアルタイムでお送りする人生劇場番外編


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■ロンドン地下鉄演奏(バスキング)のルール
・オーディション通過者のみバスキング可能
・2週間前に電話でバスキングの場所(ピッチ)を先着順に予約
・1ピッチにつき2時間、基本的に1日4時間まで
・空いているピッチを見つけたら、いつでも使用可能
・稼いだお金の額の申請の必要無し、すべて収入となる。




ロ ン ド ン 地 下 鉄 同 時 爆 破 テ ロ 翌 日 の 日 記
★7月8日(金曜日) 曇
トテナムコートロード駅ピッチ1 16時〜18時

=魂のバスカー達=
 
 昨日あれだけの大惨事があったにもかかわらず、朝からほとんどの地下鉄の駅が再開し、動きだしている。爆破のあった駅、車両とその周辺は復旧活動と現場検証のためまだ閉鎖されているが、信じられないくらい早い回復だ。

 昼12時頃、バスキングエージェントに何か今後のバスキングの情報が入っているかと思い電話してみた。

 「このたびは...とんだ事になってしまって...なんと言ったらよいか...とりあえず...いつぐらいからバスキングは再開されるか...もし何か情報が入っていたら...聞いてみようかなあなんてと思い...」と申し訳なさそうたずねる僕。

 それに対して電話にでた事務のおばさんは気丈に言った。

 「情報?そんなもの何も無いわよ。皆朝から出回っているわよ。もうバスカーさん達もいつも通りバスキングしてるわよ。とにかくブッキングした駅に行って、可能だったら演奏してきなさい!今こそあなた達バスカーの出番よっ!ロンドンの地下鉄の雰囲気を明るくしてちょうだい!さあ、気合い入れていってらっしゃい!
しっかりね! ガチャ ツーツーツー」
  
 なんと強い国民性であろうか(おばさんだったから強かったのか?)。日本人的な感覚(僕の感覚)であれば1週間くらい様子を見るとか、1ヶ月くらい喪にふすとか、とにかくテロのあった次の日から地下鉄内でのバスキングが再開されるとは思ってもみなかった。ちなみにキングスクロス駅付近のピカデリーラインの車両では今だに遺体の収容作業中である。

 午後2時、友人から携帯にメールが入った。いくつかの駅でバスカーが演奏しているのを見たと言う。僕ものんびりニュースを見ている場合ではない。ギターの弦を新品に張り替えバスキングに行く準備をした。

 午後3時30分、ブッキングしていたトテナムコートロード駅に早めに着いた。知り合いのバスカーが演奏していた。曲は「レットイットビー」だった。テロの後に「レットイットビー」はどうかと思うが、長い通路の奥から聴こえてくる力強いギターと歌は僕の胸にジーンと響いた。彼は間違い無くテロの犠牲者とロンドン市民のため「魂のバスキング」を決行しているのだ。

 ふと彼の足下を見るといつものお金を入れてもらうバスケットが無い。そのかわりに段ボールの厚紙が置いてあり、マジックでこう走り書きされていた。

        『NO TIP TODAY, I WILL SING FOR YOU.』
      〜今日はチップは受け取らない。皆さんの為に歌います〜

+++本日の稼ぎ  0 なり+++
今日までの合計 411,100円
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[資 料]
・「地下鉄のギタリスト Busking In London」(土門秀明著) ・NIKKEI KAIGAI記事 
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by mukai-message | 2006-05-10 19:10 | ○放 射 能 汚 染 | Comments(6)
Commented by ローリング・石 at 2006-05-10 22:21 x
私も、もちっと若いころ、ロンドンに居たことがあります。ビートルズの話なつかしいなー! mukai-mさんとハイドパークあたりですれちがっていたかもしれませんね。
Commented by brue-nile at 2006-05-11 00:24
わたしは大英博物館の会員なんです。美術書や参考文献、美術品のレプリカ等購入するたびに、気持ちで寄付を上乗せします。
またロイヤル・メールの会員でもあるので、毎月切手や企画品の案内が届きます。ファーストデイ・カバーの消印を好きな局の物に指定出来るのも嬉しいです。毎年クリスマスの切手と同じデザインの絵皿、Tシャツなども、プレゼント用に購入しています。
ロンドン市内には友人はいませんが、近隣にはキルト友達が沢山いますよ。
Commented by mukai-message at 2006-05-11 10:44
ローリング石さん ようこそ。60年代から70年代前半くらいのロンドンは懐かしいですね。私はパリに住んでいましたが、縁あってロンドンにも何度か出かけました。ですから「すれちがい」は大いにあったかも、です!
Commented by mukai-message at 2006-05-11 10:46
大英博物館もまた共通の話題になりそうですね、ナイルさん。私も、英国の(特に)クリスマス切手は夢があるので昔から大好きですよ。
Commented by 地下鉄のギタリスト at 2006-05-16 01:30 x
ロンドン地下鉄バスカーのこと紹介してくれてありがとう!ロンドンも暖かくなってきて観光に良いシーズンになってきました。みんな気合入れて演奏してますよ!
Commented by mukai-message at 2006-05-16 14:13
ロンドンからのコメント有難うございました。これからがシーズンですよね。多くの人たちを楽しませてください! 私としては、地下鉄通路で聴きたいのは tears in heaven ですね・・。
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