「せせらぎの傍に住めるなんてステキ」とか「蛍が庭を飛んでいて風流」などとはしゃぐのは都会人だけです。地域をよ〜く観察してみると、山の中、川の際に住んでいるのは他所から来た人ばかり。土地の歴史を知らず、怖いもの知らずの余所者だから、調べない、聞かない、わかってない。「わ〜、自然がいっぱいだあ」と舞い上がった勢いで土地を買ってしまう。まことに恥ずかしながら、我が家もそうでした。
●恐ろしい土石流 当初は自治会の全世帯が同じ小川の周辺に住んでいたため、地域の自然災害についての情報交換にも熱心でした。昭和19年に起きた近隣河川の水害のこと、三分一公園に「大荒れの碑(山津波は繰り返す、との警告)」がひっそり立っていること、伊勢湾台風の折もかなり荒れたらしい、など。知るうちに居住地域について興味が湧いて来るのは当然のことでした。 そしてこのことが、自治会とは別行動でしたが、当時上流で進行中だった河川改修工法への疑問につながり、私どもが分譲地内の別荘所有者と話し合って「高川周辺の自然環境を考える町民の集い」を立ち上げる契機ともなったのです。 ●もっと恐ろしい鉄砲玉 山の中に住むことには思いがけない危険があります。別荘や新住民の家が点在する山の中と言えば自然が豊か、つまり野生動物の生息地、要するに狩猟区だったのです!毎秋シーズンが始まると、特に週末にはズドーン!ズドーン!ーー家の周囲を猟犬を連れ、鉄砲を持った人間がうろうろする図をご想像ください。「頭上を鉄砲玉が飛んでった」と怒る人もいて、散歩するのも気がかりでした。小さな子どものいる家庭ではなおさらです。 そういう声が多くなり、自治会でも県に電話で問合せるなどするうちに、やがて周辺に赤い「禁猟区」の看板が目立つようになってーーやれやれ、一安心。でもハンターさん、「この頃は獲物が少なくなって」とこぼしていましたっけ。そこで、森の元の住人である生き物たちを消滅させてきたのは?そう思い到ると、田舎暮しわっはっは、ハッピー!?なんて言えないやるせない気分になります (=_=) ●もっとも恐ろしい山火事 「木のてっぺんを次から次へと火が走っていくから、どうにも出来んだよ。山火事は怖い」とお年寄りから何度も聞かされています。明治の末に度々起こった水害も、八ケ岳の山火事に起因するものが多いとか。(恩賜林の歴史を参照してください。) ーー呑気に住み着いてしまって早や10年。今も無事で元気なのは有難いけれど、いつか遭遇するかもしれない災害のことは、しっかりと頭の隅に根を下ろしてしまった……。 このように、私たちの自治会は「ただゴミさえ捨てられれば、他の関係は一切持ちたくない」ということではなく、むしろプラス思考で出発したわけです。では、この続きはまたの機会に。
by mukai-message
| 2005-07-06 18:59
| ○放 射 能 汚 染
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